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株式会社overflowが運営するOffersデジタル人材総研では、デジタル人材採用に関わるシステム・ツールの2024年カオスマップを公開します。認知・興味、候補者発掘、選考、管理の4つの観点から、その特徴と変化について解説します。
■カオスマップ詳細は本ページ内のフォームまたは下記リンクよりご覧いただけます。 「2024年 デジタル人材採用に関わるシステム・ツールカオスマップ」 ※カオスマップを引用・転載される際は、上記のリンクと弊社名を明記してください。
1. カオスマップ総括
2023年の採用市場が大きな変革期を迎える中、2024年は採用手法の多様化と高度化が一層進んだ1年となりました。特に注目すべき変化として、採用判断における費用対効果の重視と、採用構造の二極化が顕著となっています。
さらに、正社員採用のみならず、多様な採用形態を組み合わせた柔軟な人材獲得戦略が広がりを見せました。こうした市場環境の変化に対応するため、企業には以下の観点からの戦略構築が求められます。
- 求める人物像と技術スタックの明確化
- 対象人材が活動する媒体・コミュニティの選定
- 技術力とカルチャーフィットを確認する選考設計
- 事業成長に寄与する即戦力人材の獲得
この1年間で、企業の採用活動は大きく変化しました。長期的な組織成長と費用対効果を重視する企業が目立つようになり、テックブログやイベントを通じた技術発信力の強化に注力する動きも活発化しています。また、候補者のキャリアビジョンに寄り添った採用活動を展開する事例も数多く観察されるなど、より戦略的な採用アプローチが定着しつつあります。
2. 認知・興味
自社や事業について、どのような技術をどのようなレベル感で活用しているかという働くイメージを伝えることの重要性が増しています。テックブログやイベントを通じた技術発信、SNSを活用したコミュニケーションの活発化が見られます。
特にXを中心としたSNSでは、技術スタックの発信やエンジニアとの直接的なコミュニケーションが活発化。また、各種テックイベントやカンファレンスを通じた技術コミュニティの形成も、採用における重要な接点となっています。
3. 候補者発掘
各媒体の特性や対象とする人材層の違いが明確になってきました。特にアルムナイ採用やリファラル採用といった新たなチャネルが注目を集める一方で、副業から正社員への転換を見据えた「副業転職(※)」という採用手法も確立されつつあります。
この手法は、双方のカルチャーフィットやスキルセットを十分に確認できる点で、より確実性の高い採用を実現しています。また、フリーランスエージェントの増加も顕著で、企業は自社が求める人材の活動場所を見極め、適切なチャネルを選択する必要があります。
※1 副業転職の活用事例 株式会社GEOTRA(三井物産・KDDI合弁会社)が実践する、副業から正社員採用への段階的なアプローチについて、代表自らが語るインタビューを公開しています。エンジニア組織の内製化における課題解決や、正社員転換の要件設定など、実践的な知見をご覧いただけます。 https://offers.jp/cases/yn4x2x8dle
4. 選考
2023年以前と比較して、リファレンスチェックツールの導入や技術スキル評価の自動化・コーディングテストツールの普及が進み、適性検査も多様化しています。
特にスタートアップ企業においても、選考スピードよりも採用の確実性を重視する傾向が強まっており、より精緻な人材評価が標準となっています。
5. 採用管理
選考フローの複雑化に伴い、ATSの高度化・多機能化が進展。採用データの可視化・分析機能が強化され、自動化ツールとタレントプールの連携など、統合的な候補者管理が実現しています。
2025年に向けては、これらのツールや機能を効果的に組み合わせ、長期的な組織成長と費用対効果を見据えた戦略的な意思決定が、これまで以上に重要となるでしょう。
6. まとめ
2024年の採用市場を振り返ると、各企業がより戦略的なサービス選択を行う1年となりました。デジタル人材の採用手法やツールが多様化を続ける中、以下の観点からの検討がより一層重要性を増しています。
- 採用したい人物像の明確化と技術要件の定義
- 対象人材が活動する媒体・コミュニティの特定
- 技術力・適性を正確に判断できる選考フローの設計
- 採用予算や工数との最適なバランス
この1年間で、事業成長のフェーズや費用対効果を踏まえた戦略的な採用判断を行う企業が着実に増加し、2025年に向けても、この傾向はさらに強まっていくことが予想されます。