目次
ITエンジニアを中心に人材不足が拡がり、副業人材の受け入れを初めている企業も増えています。
しかし、副業という言葉が示す職種の中にはコンサルティングやエンジニアリングのような専門的なものから、内職のようなものまで広く存在しています。
そこで本記事では、プロダクト開発人材の複業転職プラットフォーム「Offers」利用者へのアンケート調査を元に、副業に取り組む人物像や、どのように企業と副業人材がコラボレーションをしていけば良いのかについてご紹介します。
調査対象:下記の条件に合致した160名
- Offers登録者
- 正社員
- 現在副業中
調査日:2022/10月末〜11月頭
副業先を選ぶ基準は何ですか (複数回答可)
副業先を選ぶ基準として報酬を挙げた割合は57.5%となりました。次に興味のある業態が続き、47.5%となりました。 非スタートアップ企業の新規事業(1.3%)、企業規模が大きい(1.3%)、上場企業(0%)、開発チームが大きい(0%)、知名度が高い(0%)と、副業先の企業サイズの大きさを求めることは無いと言えます。 このことはスタートアップ企業やベンチャー企業のように知名度などの関係で正社員雇用が難しい企業であっても、副業人材であれば契約チャンスがあると考えられます。
年代別に副業を選ぶ基準について見てみると、全体的に報酬が最も重視されることが分かります。特に40代については2番目(興味のある業態)を20ポイント以上引き離す結果となりました。
50代は興味のある業態が報酬と同率まで上昇します。事業内容についても44.4%と他の年代よりも高い傾向にあります。これはこれまで培ってきた技術や経験を興味のある業態で活かしたいという気持ちの高まりがあることが考えられます。
スタートアップ企業については30代、50代が選ぶ傾向にあります。これは副業の目的が20代はスキルアップであり、40代は報酬であることから、スタートアップを避けていると考えられます。
副業先を決める際に障壁となったことはありますか?(複数回答可)
副業先を決める際に障壁となったこととして、副業時間の確保を挙げる方が48.8%という結果になりました。続いて就業時間(39.4%)、業務内容を踏まえた報酬バランス(37.5%)と続きます。
年代別に見ると20代では副業時間よりも就業時間が障壁となる傾向にあります。しかし30代、40代になると副業時間の確保が1番の障壁となり、ライフステージの変化が伺えます。 40代、50代と年代を重ねるにつれて報酬バランスを優先する傾向が見られます。特に50代の報酬バランスは66.7%となり、1番の障壁となっています。 また、特に障壁はないという回答も年代を重ねるにつれて上昇しており、副業先との折り合いがつくようになっていることが伺えます。
現在の転職意識について教えて下さい
副業人材のうち、転職・独立は全く考えていない層は33.2%となりました。 転職顕在層(転職活動中)は9.7%でした。 転職潜在層(良い所があれば転職を考える、半年以内に転職を考えている、1年以内に転職を考えている、将来的に転職を考えている人)は40.3%となりました。 転職・独立の意向ありと答えた方を合計すると66.8%となります。
スキルアップとお答えして頂いた方にお聞きします。スキルアップとは具体的に何ですか?
頂いた回答について分類したものより、抜粋したものを記します。
- 本業とは違う環境で経験を積みたい
- ハイトラフィックのデータ処理
- Webアプリケーションの開発スキル 本業でも行ってはいるが、
複数の会社の開発に関わることで会社の文化に依存せず様々な技術を
キャッチアップできる- UIパターンの訓練、構造化の訓練、他社でどうやっているのかを知る
- 本業では扱わない技術のキャッチアップ
(カメラ機能を本業では使わないが副業案件ではカメラ機能使うなど)- 本業とは違う分野のことを行うことでスキルを広げる
- 他分野・ビジネスに関してどのように業務遂行しているのか、
どのレベルでのスキルが必要かを把握したい。
またそこに必要なスキルの習得をする。- 課題解決力。
異業種の様々な課題を自分なりに咀嚼して
理解して共通認識に立って解決法を見出すこと。- 普段携わらないプロジェクトの回し方を吸収して
仕事の回し方として活用する視点を増やす- 本業とは別領域プロダクトのグロース経験
(B↔C向け、Web↔アプリ、EC系物流有無、内製↔外製 etc.)- 本業とは違うことを実務経験として積みたい
- 本業がプロダクトマネジメントであるため、
クライアントワークを通じて得られる提案力やコミュニケーション力など。- エンジニア転職を見据えて実務経験を積みたい
- 本業も IT 関連ではあるもののソフトウェア開発業務ではないため、
ソフトウェア開発のスキルを維持・アップしたい- 会社に頼らない生き方の模索、練習
- どの組織でも汎用的に必要となる技術の洗い出し、個人で仕事を受ける力
- 本業以外での収入を得られるスキル