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2020年の新型コロナウイルスの流行は、世界中の企業や組織に大きな影響を与え、ワークスタイルに大きな変化をもたらしました。この流れの中で、リモートワークが急速に普及し、多くの企業が新しいワークスタイルに適応し、近年ではコロナの影響が収束するも、オフラインとオンラインのハイブリッドでの組織が増えています。 本レポートではITエンジニア/デザイナーの副業・転職サービス「Offers」利用者へのアンケート調査を実施し、リモートワーク下でのマネジメントの課題を明らかにしていきます。
- 調査対象:下記の条件に合致した106名
- Offers登録者
- リモートワーク下でのマネジメント経験があると回答した方
- 調査日:2023年 10月上旬
調査サマリ
- 全体の55.7%が、リモートワーク下でのマネジメントについて(出社でもリモートでも)やりやすさは 変わらないと回答
- マネジメントがしやすい理由の具体例として、「ドキュメント化されることで、仕様整理や認識合わせ をしやすくなった」など、コミュニケーション⾯でのメリットが多く挙げられた
- マネジメントがしにくい理由の具体例として、「メンバーがサボってしまう」や「悩みを抱えていることを察 知しにくい」など進捗管理⾯での課題が多く挙げられた
- リモートワーク下におけるマネジメントで重要なこととして、「会話のハードルを下げる」や「報告しなくて も進捗を管理できる仕組みの構築」など「コミュニケーション」⾯での配慮に関する回答が多かった
調査詳細(一部抜粋)
1. 全体の55.7%が、リモートワーク下でのマネジメントについて(出社でもリモートでも)やりやすさは変わらないと回答
Q. リモートワーク下でのマネジメントについてどう思いますか(n=106)
2. マネジメントがしやすい理由の具体例として、「ドキュメント化されることで、仕様整理や認識合わせをしやすくなった」など、コミュニケーション⾯でのメリットが多く挙げられた
Q. リモートワーク下でのマネジメントがしやすいとお答えした方にお伺いします。その理由は何ですか(複数選択可)(n=20)
「移動やコミュニケーションの時間が削減され、作業時間がより有効に使えるから」という回答が90.0%となりました。 「必要なリソースや情報へのアクセスがデジタル化されたことで、情報が拾いやすくなったから」(55.0%)という理由も半数を超えて確認されました。
その他には、
- 部下同士のコンフリクトがないため、チームビルドがしやすく、余計な交流会やメンタルケアも必要ない
- 自走出来る人材が集まりやすい
- 年齢や容姿などで左右される面がなくなったから
などの意見がありました。
Q. マネジメントがしやすいと感じた具体的なエピソードを教えてください(n=20)
マネジメントがしやすいと感じた理由について、 「コミュニケーション」面でのメリットに関する回答が多く集まりました。 中でも、「ドキュメント化されることで、仕様整理や認識合わせをしやすくなった」などの回答も見受けられました。
・ストレスの軽減に関する意見(一部抜粋)
- オフィスに通う必要がない分、ストレスの軽減が⼀番⼤きい
- 通勤電⾞は体⼒、精神⼒を激しく消耗する
- 通勤時間がないので、満⾜度が⾼い
・効率化に関する意見(一部抜粋)
- やり⽅を⼯夫すれば効率がよいから
- 時間を有効に活⽤できるため、⼯数削減できた
・家族との時間に関する意見(一部抜粋)
- メンバーが家族との時間を⼤事にできていて、充実感を感じる。話を聞きながら メモしやすいので、さっと議事メモを書いて送れる。
・コミュニケーションに関する意見(一部抜粋)
- 対⾯で会話が苦⼿なメンバーでもチャットツール上だとコミュニケーション取り やすくなった
- チャットでのやり取りが楽
- ⼝頭コミュニケーションはどうしても⼿を抜く瞬間があるが、リモートワークで はドキュメントコミュニケーションが前提なので多少過度と⾔えるくらいドキュ メントが作られるようになり、仕様整理や認識合わせが進みやすくなった。
3. マネジメントがしにくい理由の具体例として、「メンバーがサボってしまう」や「悩みを抱えていることを察 知しにくい」など進捗管理⾯での課題が多く挙げられた
Q.リモートワーク下でのマネジメントがしにくいとお答えした方にお伺いします。その理由は何ですか(複数選択可)(n=27)
「オンラインのコミュニケーションでは、相手に意図が伝わりにくく誤解が生じやすいから」という回答が最も多く74.1%となりました。「コミュニケーションの頻度が低下し、チームワークが育まれにくいから」(59.3%)という理由も半数を超えて確認されました。
その他には、
- 議論がしづらい、話しづらい
- オンラインと物理組との間に空気の差が生まれる
などの意見がありました。
Q.マネジメントがしにくいと感じた具体的なエピソードを教えてください(n=27)
マネジメントがしにくいと感じた理由について、 「進捗状況」についてのデメリットに関する回答が多い結果となりました。 中でも、「メンバーがサボってしまう」「悩みを抱えていることを察知しにくい」などの回答も見受けられました。
・状況把握に関する意見(一部抜粋)
- 関係性が作られていない社歴が浅いメンバーに対してオンライン中⼼のマネジメ ントでなかなか関係性を構築できず、悩みを抱えていることの察知が遅れてし まった
- 作業進捗を細かく把握しないと、遊んでいるメンバーがいた
- チャットのレスが遅れたり想定より進捗が悪い時にメンバーが本当に仕事をして いるのか疑ってしまった
- 途中の進捗がわかりにくく、提出された段階で意図しないデータだったコトが あった。リモートでなければ現場ですぐに気づいた。
・評価に関する意見(一部抜粋)
- コードを書くこと以外の仕事を評価しづらい。ソフトスキル⾯など
・コミュニケーションに関する意見(一部抜粋)
- どうしてもホワイトボードでさっと書きながら説明したいが、ツールでももたつくから
- ⾮同期コミュニケーションズが主になるが、直接話したほうが早いことは多い
- 割り振ったタスクの内容に齟齬があり、開発の⼿戻りが発⽣してしまった 主語のない⽂章を書くなど、ハイコンテクストなやり取りを好むメンバーがいると、意図の把握に時間がかかる。
4. リモートワーク下におけるマネジメントで重要なこととして、「会話のハードルを下げる」や「報告しなくても進捗を管理できる仕組みの構築」など「コミュニケーション」⾯での配慮に関する回答が多かった
Q.リモートワーク組織でマネジメントを行う上で重要だと感じていることを教えてください(n=106)
リモートワーク組織でのマネジメントを行う上で重要なこととして、「コミュニケーション」面での回答が多く見られました。中でも、「会話のハードルを下げる」「報告しなくても進捗を管理できる仕組みの構築」「管理ツールの導入」などの回答がありました。
・コメント(一部抜粋)
- 積極的なコミュニケーション
- こまめに状況確認しコミュニケーションを可能な限り頻繁に取る。
- 顔を⾒せるコミュニケーションの頻度
- 声をかけやすい雰囲気作り
- 会話のためのハードルをとにかく下げる
- 各⾃のアウトプットや成果を共有して、必要に応じて褒めて、マネージャーが⾒ているよという雰囲気作り。
- ネット環境(クラウドサービス、各メンバのネット回線環境など)
- 定期的な1on1
- 報連相の遵守
- メンバーは主体的に動けるかどうか。そうなるよう導く。
- プロジェクト管理ツール∕チャットツールを⽤いて、必要以上と感じられるくらいまで⾔語化を徹底すること
- 報告しなくても進捗を確認できる仕組みを作ること
- 互いのリスペクト
調査全文は、以下URLよりご確認いただけます。(登録不要)